4-2.浴槽水の消毒
『浴槽水の消毒に当たっては、塩素系薬剤を使用し、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、通常0.2ないしは0.4mg/L程度を保ち、かつ、遊離残留塩素濃度は最大1.0mg/Lを超えないよう努める。
また、測定結果は検査の日から3年間保管する。』 ただし、以下のような場合には、この限りではない。
1. 原水若しくは原湯の性質その他の条件により塩素系薬剤が使用できない場合、
2. 原水若しくは原湯のpHが高く塩素系薬剤の効果が減弱する場合、
3. オゾン殺菌等他の消毒方法を使用する場合であって、併せて適切な衛生措置を行う場合
注1)温泉水等を使用し、塩素系薬剤を使用する場合には、温泉水等に含まれる成分と塩素系薬剤との相互作用の有無などについて、事前に十分な調査を行う。
注2)塩素系薬剤が使用できない場合とは、低pHの泉質のため有毒な塩素ガスを発生する場合、有機質を多く含む泉質のため消毒剤の投入が困難な場合、又は循環配管を使用しない浴槽で、浴槽の容量に比して原湯若しくは原水の流量が多く遊離残留塩素の維持が困難な場合などを指す。この場合、浴槽水を毎日完全に換水し、浴槽、ろ過器及び循環配管を十分清掃・消毒を行うこと等により、生物膜の生成を防止する。
注3)高pHの泉質に塩素系薬剤だけを用いて消毒をする場合には、レジオネラ属菌の検査により殺菌効果を検証し、遊離残留塩素濃度を維持して接触時間を長くするか、必要に応じて遊離残留塩素濃度をやや高く設定すること(例えば0.5~1.0mg/Lなど)で十分な消毒に配慮をする。
注4)オゾン殺菌、紫外線殺菌、銀イオン殺菌、光触媒などの消毒方法を採用する場合には、塩素消毒を併用する等適切な衛生措置を行う。また、オゾン殺菌等他の消毒方法を用いる場合には、レジオネラ属菌の検査を行い、あらかじめ検証しておく。
注5)オゾン殺菌による場合は、高濃度のオゾンが人体に有害であるため、活性炭などによる廃オゾンの処理を行い、浴槽水中にオゾンを含んだ気泡が存在しないようにする。
注6)紫外線殺菌による場合は、透過率、浴槽水の温度、照射比等を考慮して、十分な照射量を確保する。また、紫外線はランプのガラス管が汚れると効力が落ちるため、常時ガラス面の清浄を保つように管理する。
携帯サイト